靴に囲まれて

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靴に囲まれて

先史時代のスカンジナビア半島の遺跡からは、
スケート用に加工された動物の骨が発掘されている。
とくによく使われたのがまずウマ、次いでウシ、そのほか
ヘラジカ|エルクやアカシカ、ヒツジなどの橈骨や脛骨の部分である。
これらの骨は削られ、穴があいているものもあり、おそらく紐状のもので
履物に縛りつけて用いられたと考えられている。同様のものは
ロシアやドイツ、イギリス、フランス、スイス、スロバキアなどヨーロッパ各地で
見つかっている。シベリアではセイウチの歯を加工していた例もある。
中世においてもヨーロッパではこのような骨製の用具が使われていた。
12世紀イギリスのカンタベリー大司教、トマス・ベケットの書記だった
ウィリアム・フィッツスティーヴン(William Fitzstephen)は、
当時のロンドンでは冬にテムズ川に注ぐ水路の水が凍ると、
若者たちが動物の脛骨を使い、氷上を滑って楽しんでいたと記録している。
彼らはストック (スキー)|ストックを手に氷の表面を突いて滑走し、
時には互いに向かい合って打ち合うゲームもしていた。 実際に12世紀のロンドンの
地層からは骨製のスケートが見つかっている。

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